奈良県五條市

Client:chocobanashi(株式会社イトバナシ)

Produce & Creative Direction&Design:すみかずき(合同会社シェアローカル)

Lighting:源口 葉月(合同会社シェアローカル)

Flower Display:Yuya Maeda(edalab.)

Illustration:千海博美

Print:共同精版印刷株式会社

Works Photo:Ayana Masuda

  • お客さんに
    伝えるのではなく、
    感じてもらいたい
  • その場所の
    文化を紡ぎ、
    後世に伝える
  • お客さんに
    課題の解決に
    加わってもらう

chocobanashiの運営元は「つくる人とつかう人の暮らしを豊かに」をコンセプトに掲げる株式会社イトバナシ。イトバナシは、代表の伊達文香氏が学生時代にインドの手刺繍と出会い立ち上げた、エシカルファッションブランドである。インド刺繍はA4サイズの生地を刺繍するのに約3時間かかるが、50〜100円程度でしか取引されない。そんな手刺繍を現地の価格の2倍の値段で買取り衣服にして販売するECサイト「itobanashi」から始まり、世界の手仕事を集めたセレクトショップ「ししゅうと暮らし」などを展開する。そんな伊達氏が昔通っていた「餅商一ツ橋」が閉業したことを知り、「五條のおやつ文化を引き継ぎたい」という想いと、「インド刺繍と同じく、過酷な労働に見合わない対価で働くカカオ豆農家に少しでも見合う対価を支払いたい」という想いが合わさり「Bean to Bar」というアイデアに行き着く。シェアローカルは、店の立ち上げに伴うコンセプト立案や店舗デザイン、パッケージデザイン等、店舗全体をプロデュースした。

課題感

  • 建物が伝統建築であり、地元の方々に愛されていたので、外観を変えずに店作りを行わなければならない。
  • 途上国の技術や現状があまり知られていない。

提案

  • 課題感をお客様に押し付けるのではなく、「気がついたら課題に共感していた」という状態を作り出すべく世界観全体を構築。
  • itobanashiから始まった「物語」をこれからも広げていって欲しいという願いと今後のブランディング展開も見据え「chocobanashi」という店名を提案。
  • 同じ課題を抱えたチョコレートとファッション。その双方の本質的な素晴らしさを伝えるために、生産地の伝統的なテキスタイルや刺繍でパッケージを表現。
  • 正方形に生地が積まれている「インドの生地問屋」から着想を得て、正方形の形状を提案。
  • オープン後手が離れた後もクオオリティが担保できるようにパッケージにデザインは施さず共通のシールを用いて展開。カカオの配合や産地の表記は判子であとから捺印できるように。
  • 餅商一ツ橋が長年続けてきた「饅頭を頼み、出窓から饅頭とお金を交換する」という販売スタイルへのリスペクトを込め、店頭で販売するスタイルの提案。
  • 外観の「餅商一ツ橋」という巨大な看板を触ることができなかったので、店舗の空間を上下に分断する役割として軒先に店幅目一杯の暖簾を設置。巨大な提灯を看板的な役割を持たせたシンボルに。
  • チョコレートを通して伝えたいchocobanashiのストーリーを、産地の生命力あふれるボタニカルな雰囲気から着想を得た植物装飾で表現。
  • チョコ作りに込められた思いを届けるべく、絵本のような物語を感じる文章を制作し、パッケージ開封の際に見えるようにデザイン。
  • 生地職人、カカオ豆農家、チョコレート職人を通してお客様に想いが伝達する様子をイラストレーションで表現。
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